特集 | 区の予算

品川区の予算2,369億円は、
どこから来て、どこへ行く?

えんどう豆のロゴ

品川区が発表した令和8年度(2026年度)の当初予算案を、区の公表資料をもとに図解します。 金額が大きすぎてピンとこない「区の予算」を、区民1人あたりの金額に置き換えながら読み解いていきます。

この記事の3行まとめ

  • 令和8年度の一般会計は2,369億円(前年度比+0.9%)、区民1人あたり年間約56万円
  • 歳出の半分(50.7%)は民生費(福祉・子育てなど)
  • 教育費+15.7%・衛生費+12.7%が伸び、がん検診無償化や給付型奨学金などの新規事業を開始

令和8年度 品川区一般会計(当初予算案)

2,369億円

前年度比 +0.9%(+約22億円)

まず全体像 — 区民1人あたり「年間約56万円」

2,369億円と聞いても実感が湧きませんが、品川区の夜間人口(約42.2万人)で割ると、 区民1人あたり年間約56万円、月あたり約4.7万円が使われている計算になります。 保育園や学校、ごみ収集、道路や公園、高齢者福祉——毎日のくらしのかなりの部分が、この予算で動いています。

一般会計

2,369億円

前年度比+0.9%

区民1人あたり

約56万円/年

夜間人口42.2万人で換算

特別会計(4会計)

約774億円

国保・介護・後期高齢者医療など

※ 1人あたり金額は、一般会計2,369億1,400万円を夜間人口422,488人(令和2年国勢調査)で割った概算です。

令和8年度 品川区一般会計(当初予算案)の全体像
項目数値補足
一般会計2,369億円前年度比+0.9%
区民1人あたり約56万円/年夜間人口42.2万人で換算
特別会計(4会計)約774億円国保・介護・後期高齢者医療など

歳入 — お金はどこから来る?

いちばん大きいのは、私たちが納める特別区税(656億円)。とはいえ全体の3割弱で、 残りは都や国からの交付金・支出金などで成り立っています。

歳入の内訳(令和8年度・一般会計)

単位: 億円(千円単位の予算額を四捨五入)

特別区税 656億円 特別区交付金 520億円 国庫支出金 385億円 都支出金 262億円 その他 212億円 繰入金 196億円 地方消費税交付金 139億円

特別区税656億円のうち620億円は特別区民税(住民税の区の取り分)。前年度から+10.7%と大きく伸びています。

歳入の内訳(令和8年度・一般会計)単位: 億円
項目金額
特別区税656億円
特別区交付金520億円
国庫支出金385億円
都支出金262億円
その他212億円
繰入金196億円
地方消費税交付金139億円

ここに注目 — 「特別区交付金」って何?

2番目に大きい520億円の「特別区交付金」は、本来は市町村が徴収する固定資産税や法人住民税などを東京都がいったんまとめて集め、 23区に配り直すお金です(都区財政調整制度)。つまり品川区の予算は、 区に納められる税金だけでなく、東京23区全体の税収の再配分に支えられています。 これは23区ならではの財政のしくみです。

歳出 — お金はどこへ行く?

最大の使いみちは民生費(1,201億円)。子育て支援・高齢者福祉・障害者福祉・生活保護などに使われ、 予算全体の半分(50.7%)を占めます。

歳出の内訳(令和8年度・一般会計、目的別)

単位: 億円。青は最大の民生費(福祉・子育て)

民生費
福祉・子育て
1,201億円(50.7%) 教育費 332億円 土木費 311億円 総務費 271億円 衛生費 191億円 産業経済費 39億円 公債費 13億円 議会費 8億円 予備費 3億円

目的別の款(かん)ごとの当初予算額。合計2,369億円。

歳出の内訳(令和8年度・一般会計、目的別)単位: 億円
項目金額
民生費(福祉・子育て)1,201億円(50.7%)
教育費332億円
土木費311億円
総務費271億円
衛生費191億円
産業経済費39億円
公債費13億円
議会費8億円
予備費3億円

ここに注目 — 予算の半分は「人を支えるお金」

民生費1,201億円を区民1人あたりに直すと年間約28万円。 保育園の運営、児童手当などの給付、高齢者の介護基盤、障害のある方への支援—— 「区役所のお金」というと建物や道路を思い浮かべがちですが、 実際には半分が人を直接支えるお金です。30〜50代にとっても、子育て支援や親世代の介護を通じて、 いちばん身近に関わる部分と言えます。

前年からの増減 — 何が増えて、何が減った?

伸び率で見ると、教育費(+15.7%)と衛生費(+12.7%)の増加が目立ちます。 学校の改築や、がん検診無償化などの健康施策が押し上げ要因です。

歳出の前年度比伸び率(令和8年度・目的別)

単位: %。右(青)が増、左(赤)が減

教育費 +15.7% 衛生費 +12.7% 民生費 +5.0% 産業経済費 +3.4% 議会費 +0.6% 公債費 −1.6% 土木費 −4.3% 総務費 −24.9%

総務費が−24.9%と大きく減っているのは、新庁舎整備工事の年度ごとの事業費の変動が主因と思われます。 款ごとの増減は、こうした大型工事の進み具合など年度ごとの事業の入れ替わりで大きく動きます。 率だけでなく金額(例: 総務費 −約90億円、教育費 +約45億円)とあわせて見るのがポイントです。

歳出の前年度比伸び率(令和8年度・目的別)
項目増減率
教育費+15.7%
衛生費+12.7%
民生費+5.0%
産業経済費+3.4%
議会費+0.6%
公債費−1.6%
土木費−4.3%
総務費−24.9%

注目の新規・拡充事業ピックアップ

5種類のがん検診をすべて無償化
胃・肺・大腸・子宮頸・乳がん検診が無料に。働き盛り世代の「受けそびれ」対策に直結します。
所得制限のない給付型大学奨学金
返済不要の奨学金を所得制限なしで実施。教育費が最も重くなる時期の家計を支えます。 区の奨学金ページ →
こども誰でも通園制度の開始
親が働いていなくても保育園等を利用できる国の新制度。区独自に利用上限時間を拡充します。 区のこども誰でも通園ページ →
区有公共施設の「子ども料金」無償化
プールや文化施設などの子ども料金が無料に。週末のおでかけコストが下がります。
プレミアム率20%の商品券発行
物価高騰対策として過去最大規模。紙・デジタル併用で発行されます。
AEDの区内コンビニ設置を約150台に拡大
24時間使えるAEDが増加。夜間・休日の救命環境が広がります。

防災関連の新規事業(感震ブレーカー補助の拡充、避難所の環境改善など)は 防災特集で詳しく解説しています。

用語ミニ辞典

当初予算と補正予算
当初予算は、年度が始まる前に1年間の収入・支出を見積もって組む基本の予算。補正予算は、年度の途中で生じた事情に合わせて、当初予算に金額を追加・修正する予算です。
一般会計と特別会計
一般会計は福祉・教育・道路などの基本的な行政サービスの会計。国民健康保険や介護保険のように保険料など特定の収入で運営する事業は、特別会計として分けて管理されます。
民生費
子育て支援、高齢者・障害者福祉、生活保護など「人を支える」ための経費。品川区では歳出全体の約半分を占めます。
都区財政調整制度(特別区交付金)
固定資産税・法人住民税などを都が一括で集め、23区の人口や行政需要に応じて配分するしくみ。23区特有の制度です。

解説の依頼はLINEまで

解説してほしいテーマのリクエストやご意見は、LINEからお寄せください。

LINEで友だち追加
よくある質問
品川区の令和8年度予算はいくらですか?
一般会計で2,369億円(前年度比+0.9%)です。特別会計(国保・介護・後期高齢者医療など4会計)は約774億円です。
品川区の予算は主に何に使われていますか?
最も大きいのは民生費(福祉・子育てなど)で1,201億円、予算全体の50.7%を占めます。次いで教育費332億円、土木費311億円と続きます。
品川区民1人あたりの予算はいくらですか?
一般会計2,369億円を夜間人口約42.2万人で割ると、区民1人あたり年間約56万円(月あたり約4.7万円)になります。
特別区交付金とは何ですか?
固定資産税や法人住民税などを東京都がいったんまとめて集め、23区に配り直すお金(都区財政調整制度)です。品川区の歳入で2番目に大きい520億円を占めます。
品川区の予算はどこから来ていますか?
最も大きいのは特別区税656億円で、全体の3割弱です。残りは特別区交付金520億円、国庫支出金385億円、都支出金262億円などで構成されています。

出典・数値について

  • 令和8年度品川区当初予算(案)プレス発表資料(品川区、2026年2月17日発表)
  • 夜間人口422,488人は令和2年国勢調査(品川区地域防災計画に記載の値)。
  • 金額は千円単位の予算額を億円に四捨五入して表示しています。構成比・1人あたり金額は四捨五入前の数値から算出した概算です。
  • 本記事は公表資料に基づく個人の解説であり、品川区の公式見解ではありません。正確な内容は区の公表資料をご確認ください。